介護保険のサービスには「介護保険法」で定められた利用基準があり、提供できるサービスの種類や利用条件に制限が設けられているのが特徴です。できる限り自立した生活が送れるように利用者をサポートすることが一番の目的とされ、訪問サービスにおいてはホームヘルパーがその役割を担っています。ホームヘルパーが介護保険で提供可能なサービスには主に2種類あり、身体介護と生活援助と呼ばれています。身体介護は食事や入浴、排せつなどの介助を行うもので、生活援助は掃除や洗濯、調理、買い物などを行います。特に判断しにくいのが生活援助のサービスで、同じ調理であっても利用者以外の家族のために作ることは適用外となるのです。
それでは、具体的にどのようなサービスが介護保険の適用外となるのでしょうか。まず大前提として、利用者以外の方を援助する行為はできません。例えば、同居している家族の部屋を掃除したり、家族の分の洗濯物をたたんだりといった行為は適用外です。他にも、ホームヘルパーが行わなくても生活に支障のない行為は介護保険サービスの適用外となります。例えば、庭の草むしりや床のワックスがけなどが該当します。利用者の家族から、「ちょっとだけ手伝ってほしい」と適用外のサービスを依頼されても、きっぱりと断るようにしましょう。できる限りお手伝いしたいという気持ちもわかりますが、そこは介護のプロとして「できること」「できないこと」の線引きが大事です。